【新しい後輩】
「今日からよろしくお願いします」
寮の同室になった後輩は、きらきらした目をしていた。
二歳しか違わないのに若々しさを感じてしまう。
「あ、えーっと…とりあえず部屋の説明するね」
私の方が緊張してどうする。
部屋の説明を終えると、会話が途切れてしまった。
…気まずい。
「先輩ってファンタジー好きなんですか?」
ふと私の机を眺めていた後輩が、興味深そうに聞いてきた。
「あーうん、結構読むかも」
そう答えると、いっそう目を輝かせた。
「私も大好きなんです。ほら!」
鞄から分厚い小説を取り出しながら、私に笑顔を向けた。
あ、可愛い。
人懐っこい後輩って可愛いですよね。
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