【書けないボールペン】

スケジュール帳に予定を書き込んでいたら、途中で文字がかすれてきてしまった。

「あー…もう」

ため息をつきながらあたりを見回す。

テレビ台の横にあったボールペンに手を伸ばし、続きを書こうとする。


…これも出ないし。

「もう書くなってことかしら」

なんて都合が良いことを考えてしまう。


彼から会おうと連絡があったのは、じつに一ヶ月ぶりだ。

理由はわかっている。私たちはもう終わりなのだ。

別れ話の予定なんて入れたくない。


書くのを諦めて、スケジュール帳を閉じる。

私にはもう少し時間が必要だ。コンビニにペンでも買いに行こうかな。

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書けなくなったペンは捨てましょう。






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